「お母さん、公園に行こうよ。遊ぼうよ。」

2歳の息子Kの声を聞くたびになんだか憂鬱になる。

この街に引っ越してから3ヶ月。

公園に行っても、すでにグループができているようで、人見知りの私はなかなか入り込めない。

そのため、外に出るのがおっくうになってしまう。

掃除、洗濯、料理、後片付け。

主婦の1日は忙しい。

その間に「ママあそんで」とまとわりついてくる息子。

ついつい

「これを見て！」とTVを子守りに使ってしまう。

もっと何か子供の為になる事をしてあげたい。

もっと遊んであげたい。

賢くなると言われている知育あそびもしてあげたい。

でも何をしてあげればいいのかわからない。

男の子は宇宙人だ。

どんな事が喜ぶのだろうか。

子供の成長は待ってくれない。

日々募る罪悪感。

今日、友達ができた。

公園で一緒に遊んだ3歳の男の子。

M君。なんと同じマンションだった。

びっくりしたのはその子のボキャブラリーの多さと優しい性格。

「一緒に遊ぼう！このおもちゃ使っていいよ！」

と息子に話しかけてくれた。

歌が好きで遊びながら20曲くらい歌ってくれた。

あんな子になって欲しいな。

きっと何かやっているに違いないわ。

今度会った時に聞いてみよう。

M君のお母さんに思いきって聞いてみた。

「何か習い事してるの？」

「うん、Mは0歳からしちだ式教室に通っているの」

「そうなんだ。でもしちだ式って英才教育なんでしょ。テレビで観た事あるわ。」

「そうよね。私も通う前はそんなイメージ持っていたけど、実際に体験レッスンに行ったら、全然違っていたの。

なによりまさるがニコニコ楽しく参加していたのでそれから通っているの。

うちには合っているみたい。」

そうか。しちだか。

一度体験レッスン受けてみようかな。

それから2年後。

息子は 4歳になった。

国旗が大好きで120ヵ国の国旗が全部わかる。

記憶力がすごい。

心も育っている。

幼稚園の先生からも

「お友達に優しいです。下の子の面倒も良くみていますよ」

と褒められた。

何より嬉しいのは

「うちの子もK君みたいに賢くて優しい子になって欲しいわ。」

と近所のお母さんに言われた事。

そしてやっぱり聞かれた。

「何かやっているの？」　

「うん、実はね、、、、」