2016年6月10日
小学部 文集入選! おめでとう!
入選!
関 健吾
「将来、どのように社会に役立ちたいか」
「いつも、ありがとうございます」
患者さんの声が聞こえる。それもたくさん。僕は患者に向かって笑った。何百回も、何千回も笑った。そう。ぼくは医者、外科医だ。
ある日、ドアをノックして、102号室へ入った。その人は、白い部屋でベッドに横たわり、ないていた。とてもおびえた顔だった。ぼくは、この人を笑わしたかった。つくり笑いもしたし、話しかけたりもした。でも、やっぱり泣いたっきりでなにもこたえてくれなかった。この人は、明日手術の予定が入っている人だった。心配だったのだろう。「もしも、失敗したら。」と、その人はしゃべった。ぼくは、患者の手をにぎり、
「絶対に手術を成功させる。」と、笑顔でいった。ぼくは、本気だ。その気持ちをうけとってくれたか、
「ありがとう。」
小さい声だったけど、はっきりと聞こえた。
そして、手術日、あの人が手術室にはこばれてきた。手術は、30分予定より早くおわった。その何時間か あと。あの白い部屋へ入ると、あの人は みたことのない笑顔で笑ってくれた。笑ってくれたことが、なによりうれしかった。その時のことは、いつまでも忘れられない思い出になった。これがぼくの将来です。
素敵なお医者様だね!