ツーっとKちゃんの頬に涙が流れるのを、私は初めて見ました。

Kちゃんは、年長さんの女の子です。

いつも落ち着いて、自分のペースをきちんと持っているKちゃん。

レッスン前も静かに入ってきて、ジッと暗唱の順番を待ち「暗唱やろうか」と声をかけると、ニコッと微笑みながら、しっかり暗唱できる女の子です。

そのKちゃんが、先日ちょっと元気ない感じで部屋に入ってきました。

いつものように「暗唱やる?」と声をかけたけれども、なんだかいつもと違う返事。

でもとりあえずクラス全員が今取り組んでいる円周率の発表をし始めました。

いつもは全然ヘルプも必要としないくらい、よどみなく暗唱できるし、大きな声なのに。

今日はちょっと伏し目がちで暗唱もたどたどしい?

ちょっとヒントをあげつつ暗唱を終え

「ヒント多かったから、来週もう一度やろうか」と伝えると、小さく頷いたKちゃんの目から、ツーっと一筋の涙が。

Kちゃんはとても穏やかなお子さまなので、Kちゃんの涙は意外でした。

でもKちゃんは悔しかったのです。

思う通りに暗唱できない自分が悔しかったのです。

私は涙を流せるKちゃんに感動しました。

Kちゃんは静かに感情を表す子でしたが「悔し涙」は初めて見ました。

「悔しい、頑張りたい、次こそは」という気持ちがKちゃんに芽生えた瞬間でした。

子ども達の暗唱を聞いていると、この「脱皮」の瞬間によく立ち会えます。

どの子も健気に一所懸命取組んでいます。

そして悔し涙がでるようになると、次のステージに上がって行き、またぐんぐん成長していきます。

翌週、Kちゃんは同じ暗唱を、今度はスラスラと大きな声で暗唱できました!

その時のKちゃんのキラキラした笑顔が印象的でした。

お子様の成長の節目節目に立ち会えることが、私にたくさんの元気をくれ、とても幸せな気持ちにしてくれます。

Kちゃんの今後も楽しみでなりません! 

七田式新浦安教室 木内先生より