幼稚園がお休みだったある日のレッスンのこと。

弟のSくんのレッスンに付き添ってきた年少のTくん。

ふと気がつくと、ロビーで一人プリントをしたり絵を書いたりしていました。

確か一緒に教室に入ったはず。

飽きてしまったのかな?と思い

「Tくん、偉いね!一人で待っていられるのね。」と声をかけると

「うん!」とニコニコ顔。

とても飽きて外に出てきた様には見えません。

書いている絵を説明してくれたり、プリントを見せてくれたりととても穏やかに過ごしていました。

レッスン後、担当の渡部先生に伺ったところ、Sくんがレッスン中少しグスグスし出したら、

「外で待ってるね!」と自分からそっと席を外したとのこと。

「すごいね~」と講師一同感激でした。

後日、そのことをお母さまに伺ったところ、レッスン中、Sくんのことをとても気遣ってそっと見守っていてくれているそうです。

Sくんがぐずり出すと、お母さまがSくんに集中できる様に、Sくんがお母さまと充分甘えられるように、自ら外に出ていくとのこと。

勿論、お母さまがそうしてと言ったわけではありません。

自分で判断してのことです。

Tくん.かっこよすぎです!

Tくんのお父さまお母さまは、Tくんが赤ちゃんの時から、ひとりの人間としてとても尊重して育てていらっしゃいました。

頭ごなしに大人の言い分を押し付けることをせず、Tくんの気持ちを大切に寄り添っていらっしゃいました。

だからと言って甘やかしているわけでは決してなく、親として伝えなくてはならないことはしっかりと伝えていらっしゃいます。

そうやって、生まれた時から人を敬うことが当たり前の様にある環境だったからこそ、Tくんの今があるのだと思います。

Sくんが生まれてから少し、赤ちゃん返りがあったり、幼稚園に慣れるまで紆余曲折があったり、普通に子供らしくお父さまお母さまの手を焼かせた事もありました。

でも、お子さまの力を信じて見守って寄り添っていけば、子どもはたった3歳でもこんなにも大きく成長できるのですね。

「Tくんの思いやりすごいね。かっこいいよ!」と言うと、

「今日も、出てくるかも…Sが泣いたらね。」

そう言ったTくんの穏やかな笑顔が心に沁みました。

七田式葛西教室 武藤先生より