3歳くらいの男の子となると、まだまだ小さいながらお年頃の時期を迎えるお子さんもいらっしゃいます。

自我が芽生えてきている様子が、とても可愛らしいのです。

お教室の外などで話しかけると、はにかんだ笑顔で俯きがちになったり、走っていってしまったり。

そうやって今までは当たり前だったことを意識し始めるところに、成長の寂しさと喜びが溢れています。

さて、そんな3歳の男の子がお母様に鉛筆を出していただいているシーンを、私は目撃してしまいました。

はやる気持ちをおさえきれないその生徒さんは、鉛筆を半ば無理矢理お母様からとりあげます。

するとそのスピードがまずかったのか、ピンピンに尖った鉛筆がお母様の手を強く引っ掻いてしまいます。

痛がるお母様にハッと我に返った男の子。

お母様のもとに駆け寄り、両手でその傷を撫でて

「痛いの痛いの飛んでけ~」と。

お母様にいつもしてもらっていることをお返ししたのでしょう。

恥ずかしいお年頃だろうに、お母様を守るという本能は何にも代えられないものなのです。

あとでそっと、その男の子に

「ママにどーぞしておいで」と絆創膏をわたすと、お母様にポイっと絆創膏を投げていました。

そこはカッコつけるのね、と。

それも優しさの形ですね。

お母様の嬉しそうなお顔にとても暖かい気持ちになりました。

  七田式新浦安教室  木土先生より