年少クラスのAくんは「おれがいっちば~ん!おれの勝ちぃ~!」と、取り組みの度に言うのがブームです。IくんはそんなAくんに「違うよ、みんな一番なんだよ!」と諭すように優しく注意します。
ところが、この日は違いました。Iくんは「Aくんは一番じゃない!一番じゃない!ぼくが一番なんだよ!!」とポロポロ涙を流していたのです。
Aくんは楽しそうに「おれがいっちばぁ~ん♪」と高らかに叫びました。Iくんは怖い顔でAくんに掴みかかりました。Aくんは掴みかかったIくんの両手をしっかりと掴んで満面の笑みでした。
「はい、そこまで。」と私はレッスンを中断しました。すると涙を流しながら怒っているIくんの表情にAくんはハッと気が付きました。「Iくんも一番になりたいね。でも、みんな素敵な一番、取り組みが早くても遅くても、頑張ってやったことが大切。もし、どうしても一番になりたかったらどうしたらいいと思う?」
こどもたちは食い入るような目で私を見ていました。「それはね、昨日の自分に勝つこと!それをずっと続けた人はいつか一番になるんだよ。さぁレッスンを続けましょう♪」
そこからは、いつも通りの仲良し楽しいレッスンになりました。そして、終わりの挨拶の時。Aくんが真面目な表情で背筋ピンと伸ばしてかっこよくしていました。
「あらら!どうしたの?」と聞くと、小さな声で「はんせいしています・・・。」と神妙な面持ちで教えてくれました。きっとIくんの気持ちと私の言葉を、純粋な心で受け止めてくれたんだなと愛おしく誇らしく、とても感動しました。
『昨日の自分に勝つこと』とても難しいお話をしました。一番ってなんだろうね。どうしたらそうなれるのかな。それぞれが答えを見つけて欲しいなと願っています。
私から見たらどの子もみんな素敵な一番です!
七田式葛西,新浦安,船橋駅前,津田沼,千葉駅前教室 橋本先生より